平成29年第4回予算特別委員会
予算特別委員会において以下の質問をさせていただきました。
1.北海道150年事業の取り組みについて
1.学力向上対策について
1.不登校について
道議太田憲之
予算特別委員会の分科会も最終日となりましたが、本日も一番手でやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まずは、北海道150年事業の取り組みについてお伺いをいたします。 本年も残り1カ月を切りましたが、年が明けますと、いよいよ北海道150年を迎えるところであります。
教育長は、本年度の教育行政執行方針の中で、道民一人一人が、先人が積み重ねてきた歴史を振り返りながら、これからの北海道を支え、未来につなぐことが大切との認識を示されましたが、私としても全く同感でありますし、北海道が先人から受け継いできた貴重な財産を未来につなぐという北海道150年の趣旨の実現のために、教育が果たす役割が大変重要であると考えるところでありますので、以下、順次伺ってまいりたいと思います。 まず、目前に迫っている北海道150年につきまして、改めて、道教委は、どのような認識をされているのか、また、これまでどのような取り組みを進めてきたのか、お聞かせ願います。
教育政策課長名子学
北海道150年事業の取り組みについてでございますが、本道が北海道と命名されてから150年となる節目を迎える中、次代を担う子どもたちが、先人が積み重ねてきた歴史を振り返り、その偉業に感謝しながら、北海道の発展を支える人材に成長していくことは極めて重要であると認識しております。
このため、道教委では、北海道150年事業実行委員会や庁内のワーキンググループに参画しながら、道教委が所管する教育、文化芸術の各分野において、事業の趣旨を踏まえた取り組みを展開できるよう、検討を進めてきたところでございます。
また、知事部局や民間企業と連携協力し、機運の醸成に向けて昨年12月に実施した北海道150年ロゴマークの道民投票について、小中学校、高等学校への周知と投票の呼びかけや、キックオフイベントとして来月開催予定の札幌モーターショー2018における、小学生を対象とした、北のみらいのクルマの絵コンテストについて、PRのためのポスターの配布などに取り組んできたところでございます。
道議太田憲之
今、るる取り組みについて発表していただきましたが、次世代を担う子どもたちが、ふるさとの歴史を振り返り、先人の偉業に感謝しながら、将来の発展を支える人材に育っていくことが極めて重要であると考えます。 学校教育の分野においては、北海道150年に関連した取り組みをどのように展開していく考えなのか、お聞かせ願います。
波岸義務教育課長
学校教育における取り組みについてでございますが、道教委では、来年の北海道150年に向けて、子どもたちが、北海道の歴史、文化の創造に貢献した道内各地の先人たちのチャレンジ精神や力強い生き方などに触れることができる独自の道徳教材「きた ものがたり」の小学校高学年用を昨年度に作成し、今年度は、同じ趣旨の中学生用道徳教材と、写真を中心にわかりやすくまとめた北海道教育史の子ども版を作成しているところでございます。
今後は、これらの教材や資料を全道の小中学校に配付するとともに、ウェブページに掲載し、各学校が道徳や社会科等の授業で活用することはもとより、平成30年の「北海道みんなの日」を含む7月には、北海道150年事業の趣旨を踏まえて、子どもたちに、ふるさと・北海道への誇りと愛着を育む教育活動を展開することができるよう支援してまいります。
道議太田憲之
今、子どもたちに対する取り組みについても御説明いただきましたが、それとはまた別に、子どもたちだけではなく、老若男女を問わず、広く道民が、北海道の気候、風土や、これまでの発展の歴史、育んできた文化などについて理解を深めていくことも重要であると考えます。
生涯学習、社会教育の分野におきましては、どのような取り組みを展開していこうと考えているのか、お聞かせ願います。
船木生涯学習課長
生涯学習に関する取り組みについてでございますが、今年度、道立図書館では、所蔵する映像資料のうち、開拓の歴史やアイヌの舞踊などに加え、昭和30年代から40年代の道内の市町村の町並みや産業の様子などをおさめた貴重なフィルム映像のデジタル化を進めており、こうした資料を、道内の図書館や博物館等における展示や講座、学校の授業や児童生徒の調べ学習での活用等に向けて貸し出すほか、著作権上、公開が可能な映像につきましては、インターネット上での公開を予定しているところです。 道教委では、こうした取り組みを通じ、北海道150年を契機に、さまざまな生涯学習の場で、多くの道民が、先人が積み重ねてきた歴史や文化を振り返り、ふるさと・北海道に対する理解を深めることができるよう、積極的な情報発信に努めてまいります。
道議太田憲之
年代を問わず、幅広い年齢層にしっかりと普及していただくようにお願いするところでございます。
そして、もう一つの大きな視点でありますが、文化芸術の振興についてであります。 雄大な自然が育んできた本道の文化芸術は、ほかの地域にはない創造性と魅力に富んでおり、これらのすぐれた芸術作品等は、我々が先人から受け継いできた貴重な財産であり、多くの道民が、この財産に触れ、理解して、その価値を未来に引き継いでいくことが極めて重要であると考えます。
そういった意味で、北海道150年は絶好の機会と捉えることができるのではないかと考えますが、道教委は、北海道150年を踏まえて、文化芸術の振興に関する取り組みについて、どのように展開していく考えなのか、お聞かせ願います。
文化財・博物館課長小松智子
文化芸術に関する取り組みについてでございますが、未来に向けて新たな文化芸術を創造していく上では、先人から引き継いだ有形無形の文化財を保存活用し、次代に継承していくことが重要でございます。
このため、道教委では、北海道150年を初年度として、道内各地の美術館等のネットワーク化を進めるアートギャラリー北海道の展開方針を策定したところでございまして、これまで各地で蓄積されてきた芸術作品を、近代美術館を初め、道内の美術館等で紹介する展覧会やイベントを開催するとともに、三岸好太郎美術館におきましては、若手芸術家の活動や作品発表の場を提供するなど、北海道150年を契機に、本道における文化芸術の振興と美術館の魅力をより高めるためのさまざまな取り組みを展開してまいる考えでございます。
道議太田憲之
北海道150年事業を推進していく上で、学校教育や生涯学習、社会教育、そして文化芸術に関する取り組みが重要な役割を担っているということが改めて確認できました。
これらの取り組みをしっかりと進めるとともに、各市町村教育委員会の協力を得て連携し、積極的に取り組みを展開していくことが極めて重要であると考えます。
市町村教育委員会への働きかけも含めまして、道教委としては、今後、どのように北海道150年事業に取り組んでいこうとお考えなのか、お聞かせ願います。
教育部長佐藤寛
北海道150年に関して、今後の取り組みについてでございますが、北海道150年事業を展開するに当たりましては、教育、文化芸術にかかわる各分野において、市町村教育委員会と手を携えながら、オール北海道として取り組むことが重要でありますことから、過日、道教委が実施いたします事業を周知するとともに、各市町村においても、この趣旨を踏まえた事業に積極的に取り組んでいただくよう、協力を求めたところでございます。
道教委といたしましては、今後とも、市町村教育委員会を初め、知事部局や民間企業とも連携協力しながら、関連する施策を積極的に展開いたしまして、その成果をその先の未来にしっかりと引き継いでまいりたいと考えております。
このことを通して、次代を担う子どもたちが、ふるさと・北海道に誇りと愛着を持ち、先人の偉業を受け継ぎ、未来につなげていくことができるよう、北海道150年を貴重な契機として、本道における教育と文化芸術の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
道議太田憲之
るる御答弁がありましたが、北海道には、各地に美術館等があり、また、気候、風土など、他県にはないものがあると思います。ぜひとも、北海道150年を契機に、芸術に触れる活動や、各地の偉人、例えば、お米をつくった中山久蔵さんなど、こういった方に関連する事業を行っているところもありますので、このすばらしい節目に、機運をもっと高め、醸成していくことをお願い申し上げまして、次の項目に移りたいと思います。
それでは次に、学力向上対策についてお伺いをしていきたいと思います。 ことしは、全国学力・学習状況調査が平成19年度に始まって以来、11年目で、東日本大震災によって中止となった23年度を除き、10回目の実施となるところであります。
当初、全国平均を大きく下回っていた本道の学力は、この10年で、かなり全国平均に近づいてきたところでございますが、これまでの取り組みの成果や、いまだに残されている課題を明らかにし、新しい教育計画に具体的に位置づけて、今後の学力向上の取り組みをより実効性のあるものにしていく必要があると考えます。
今年度の学力調査の結果は、詳細な分析結果をまとめた北海道版結果報告書により、文教委員会で報告され、本定例会での我が会派の同僚議員の一般質問に対し、教育長から、記述式問題で全国より無解答率が高いこと、授業の目標や振り返りが子どもたちに十分に意識されていないこと、望ましい生活習慣が十分に身についていないことなどの課題が見られ、新しい教育計画の中に、課題意識を持って学習に粘り強く取り組む姿勢や、家庭学習の時間等を目標として示すとの御答弁がございましたので、このことについて、以下、順次伺ってまいりたいと思います。
まず、調査結果については、いまだ全国平均以上にはなっていないものの、ここ数年、改善の傾向が続いているところでございます。 道教委は、こうした改善の傾向が見られる要因をどのように分析されているのか、お聞かせ願います。
指導担当局長岸小夜子
調査結果についてでございますが、道教委では、これまで、全国学力・学習状況調査の結果につきまして、学力調査と質問紙調査のクロス分析など、多角的な観点から分析を行い、市町村教育委員会や学校におきまして、本調査の結果を踏まえ、データに基づく指導の改善等が行われますよう、各種資料の配付や、学力向上に関する研修会の開催などに取り組んできたところでございます。
こうした取り組みを進めてきたことによりまして、今年度の北海道版結果報告書に掲載された市町村の分析等からは、それぞれの調査結果のデータに基づき、具体的な改善策を明らかにしている状況が見られますほか、学校質問紙調査の結果では、各種データ等に基づき、教育課程を編成、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立している学校の割合が、小中学校ともに全国を上回っているなど、各教育委員会や学校におきまして、継続的な検証改善サイクルの確立に向けた取り組みを着実に進めてきた結果、一定の成果があらわれてきたものと受けとめているところでございます。
道議太田憲之
一定の成果が出てきて、改善の傾向が見られるという、うれしい結果もありますが、その反面、多くの教科で全国平均に達していないなどという状況もありますので、こういった点も真摯に受けとめ、これからも、学力向上に向けての取り組みを続けていく必要があると考えます。
子どもたちの学力の向上は、一朝一夕に成るものではなくて、毎日の授業の積み重ねや生活習慣の改善など、地道な取り組みが求められるものでございます。 さきの一般質問での答弁で明らかになりました本道の課題等について、1点目として、記述式問題で全国より無解答率が高いということがありましたが、その点についての詳しい状況をお聞かせ願います。
波岸義務教育課長
記述式問題の状況についてでございますが、全国学力・学習状況調査の教科に関する調査問題は、選択式、短答式、記述式の3種類の問題形式で構成されており、今年度の調査におきまして、記述式問題は、小学校の国語Bで3問、算数Bで5問、中学校の国語Bで3問、数学Bで5問の計16問が出題されております。
本道の状況は、16問の全てで平均正答率が全国を下回るとともに、答えを何も書かない無解答率が全国を上回っており、根拠や理由を明確にして自分の考えを記述する問題などに課題が見られるところでございます。
また、児童生徒質問紙調査の結果では、小中学校ともに、解答を文章で書く問題等で、最後まで解答を書こうと努力した児童生徒の割合は全国より低い状況でございます。
道議太田憲之
昔の自分の体験ですと、書けなくても、どこまで書いたら中間点をもらえるかなと、まずは取り組んでみたり、どうやったら解けるか、時間いっぱいまで振り絞って考えるということがありましたが、現在は、最初から諦めてしまうような傾向が見られるということで、これはすごく大きな課題かと思いますので、この点は、しっかりと対応を考えていただきたいなと思うところでございます。
それでは次に、2点目についてお伺いをいたします。 授業の目標を示す活動につきまして、子どもに十分に意識されていないということでございますが、これはどういった状況なのか、お聞かせ願います。
波岸義務教育課長
目標を示す活動の状況についてでございますが、今年度の調査結果では、学校質問紙調査で、児童生徒に対して授業の中で目標を示す活動について、「よく行った」と回答した学校の割合は、小学校で71.9%、中学校で61.9%であるのに対し、児童生徒質問紙調査で「そう思う」と回答した児童生徒の割合は、小学校で52.6%、中学校で46.7%で、小学校では19.3ポイント、中学校では15.2ポイントの差があり、学校が指導を行ったと考えていても、そのように受け取っていない児童生徒が一定割合存在している状況でございます。
道議太田憲之
それでは次に、3点目です。 目標を示す活動と同様に、授業を振り返る活動につきましても、子どもに十分に意識されていないという結果も出ているとのことでありますが、これについてはどういった状況なのか、御説明をお願いいたします。
波岸義務教育課長
授業を振り返る活動の状況についてでございますが、今年度の調査結果では、学校質問紙調査で、授業の最後に学習したことを振り返る活動について、「よく行った」と回答した学校の割合は、小学校で55.6%、中学校で48.1%であるのに対し、児童生徒質問紙調査で「そう思う」と回答した児童生徒の割合は、小学校で36.6%、中学校で20.7%で、小学校では19.0ポイント、中学校では27.4ポイントの差があり、振り返る活動についても、学校と子どもの意識に差が見られる状況でございます。
道議太田憲之
2点目、3点目につきましても、意識の乖離が見られるということでございます。
3点にわたって伺ってまいりましたが、これら3点の課題を解決するためには、学校における授業改善の取り組みが不可欠であると考えます。 道教委におかれましては、各学校において日々の授業をどのように改善すべきと考えているのか、お聞かせ願います。
波岸義務教育課長
授業改善についてでございますが、道教委では、これまでの調査結果の分析により明らかになった課題を踏まえ、相手にわかりやすく説明する力や、難しいことでも最後まで粘り強く挑戦する意欲、目標を意識して学習に取り組み、振り返りを通して学んだことを深めようとする態度など、子どもたちが主体的に学ぶ力などをさらに育成する必要があると考えております。
そのため、各学校におきましては、日々の授業で、子どもが、学ぶことに興味や関心を持つことができるよう、教材等を工夫したり、見通しを持って粘り強く取り組むことや、自分の学習活動を振り返って次の学習につなげることができるよう、学習過程等を工夫したりするなど、主体的な学びにつながる学習となるよう改善を図る必要がありますことから、道教委としては、今後、各種研修会や指導主事の学校訪問を通して、こうした授業改善の具体的な進め方について指導助言してまいります。
道議太田憲之
学力向上については、これまで伺ってきた学校での取り組みに加えまして、望ましい生活習慣の確立に向けた、家庭や地域における取り組みも重要であると考えます。
道教委でも、望ましい生活習慣が身についていないことを課題として挙げているところでございますが、本道の子どもたちの生活習慣の現状と今後の対応策についてどのようにお考えか、お聞かせ願います。
波岸義務教育課長
子どもたちの生活習慣についてでございますが、今年度の児童生徒質問紙調査の結果では、「普段、1日当たり1時間以上勉強する」と回答した児童生徒の割合は、小学校で57.1%、中学校で64.2%であり、昨年度と比べ、いずれも2.4ポイント高く、やや改善しているものの、「普段、1日当たり1時間以上、携帯電話等で通話やメール、インターネットをする」と回答した児童生徒の割合は、小学校で25.6%、中学校で55.2%であり、昨年度と比べ、小学校では2.4ポイント、中学校では3.3ポイント高い状況でございます。
こうした状況を改善するため、今年度の報告書には、道内におきまして、子どもの生活習慣等の確立に成果を上げている事例を掲載したところであり、今後、こうした事例を活用して、保護者を対象に、生活習慣等を確立することの重要性について学ぶ研修会を開催するとともに、市町村教育委員会や学校、PTA連合会等が開催する研修会におきましても、本報告書を活用して、保護者や地域の人々に広く普及啓発するよう働きかけてまいりたいと考えております。
道議太田憲之
ただいま御答弁がありましたが、私の地元・千歳市におきましても、PTAの皆様が独自に家庭生活宣言をしまして、家庭でのスマートフォンの利用時間や勉強時間の改善を進めているところでございます。 やはり、地域の大人たちが背中を見せて、子どもたちの生活習慣の改善に取り組んでいかなければならないと思いますので、しっかりと地域と協力して推し進めていただきたいなと思うところでございます。
次ですが、北海道版結果報告書におきましては、管内別の結果も記載されているところでございますが、管内別の状況につきましては、これまでも、管内によって差が大きいことが指摘されているところでありまして、上位の管内と下位の管内が固定化している傾向にあると見受けられます。 管内別の学力格差は、義務教育の機会均等が保障されていないとの懸念にもつながることから、格差解消の取り組みを進める必要があると考えますが、道教委の見解をお聞かせ願います。
学校教育監村上明寛
各管内の状況等についてでございますが、今年度の調査結果では、平均正答率が高かった管内と低かった管内の差は、全ての教科で7ポイント程度でありまして、最も差が大きい小学校の国語Bでは8.9ポイントとなっているところでございます。
各管内においては、これまでも、学力向上に関する取り組みについて、みずからの課題を明らかにし、例えば、若手教員等を対象とした、授業改善に関する研修会を実施するなど、独自の取り組みを展開しているところであり、今後は、こうした取り組みをより一層効果的に進めるため、管内ごとの個別の課題に応じ、継続して学力向上に成果を上げている地域への視察研修や、授業改善推進チームの集中的な配置によりまして、各管内の課題解決に向けた取り組みが一層充実するよう努めてまいります。
道議太田憲之
これまで、いろいろ御答弁いただきましたが、こういった議論を通じて、本道の学力向上の課題や改善方策などが焦点化され、取り組みの方向性が明らかになってきたものと考えております。
こうした方向性を、現在、策定を進めている新しい教育計画にもしっかりと位置づけて、具体的な施策を推進していくことが重要であると考えますが、この点についての道としての御所見をお聞かせ願います。
教育長柴田達夫
今後の学力向上の取り組みについてでございますが、道教委といたしましては、これまで明らかになった課題を解決し、子どもたちの確かな学力を育むためには、教育関係者はもとより、保護者や地域の方々が、子どもたちの日々の学習における望ましい姿や、その実現に向けた方策をこれまで以上に共有し、連携協力して取り組んでいく必要があるものと考えております。
このため、現在、策定を進めている新しい教育計画の中に、全ての子どもが、授業の目標を意識して学び、振り返る活動を行うこと、記述式の問題で最後まで解答を書こうと努力すること、また、学校の授業以外に、1日1時間以上勉強することなどを具体的な目標指標として示すとともに、その施策として、こうした子どもの姿を実現するための授業改善等について、各学校への指導助言を徹底するほか、保護者が子どもとのかかわり方について学ぶ研修会を全道各地で開催するなど、より一層、学校、家庭、地域、行政が一体となって、学力向上の取り組みを進めてまいる考えでございます。
道議太田憲之
今回の結果で、いい点、悪い点がいろいろ出てきましたが、徐々に、課題等が焦点化され、あぶり出されてきておりまして、どういったところを改善していくべきなのか、どんどん見えてきたところでございます。
徐々にではありながらも改善点が見えてきましたし、今、コミュニティースクール等も進めているところでございますが、道の教育委員会、各市町村教育委員会、PTA、地域、家庭などが協力して、これからも粘り強く取り組みを進めていただくことをお願い申し上げまして、次の質問に移っていきたいと思います。
それでは次に、不登校についてお伺いをいたします。 少子・高齢化や一人親家庭の増加など、家庭環境の変化とともに、スマートフォン等の機器の急速な進化による、児童生徒のコミュニケーション能力や社会的スキルの低下など、児童生徒を取り巻く環境が大きく変化してきており、さまざまな要因により児童生徒が不登校になるケースがふえていると伺っているところでございます。 国の調査では、昨年度、小・中・高等学校の不登校児童生徒は、全国で約18万人、本道においても約6000人となっているとのことでございます。
特に、小中学校では4年連続で増加しているということもあり、いわゆる教育機会確保法がことしの2月に施行されるなど、さまざまな取り組みが進められてきているところでございますので、以下、数点にわたって伺っていきたいと思います。
不登校は、原因も状態も複雑多様化しており、児童生徒の発達段階に応じた指導を継続的に行う必要があると考えているところでございますが、同時に、不登校の児童生徒と向き合う保護者の不安や悩みは深刻さを増しており、こうした保護者に対しても、適切な働きかけや支援が必要であると考えます。
道教委といたしましては、こういったことをどのように受けとめて、これまで、どのように取り組んでこられたのか、お聞かせ願います。
学校教育局参事(生徒指導・学校安全)川端雄一
不登校に対する支援についてでございますが、道教委といたしましては、学校、家庭、関係機関等の連携のもと、児童生徒が不登校になったきっかけや、不登校が継続している理由を的確に把握して、発達段階に応じた適切な支援を行うことはもとより、不登校の児童生徒に直接向き合っている保護者の不安や悩みにも寄り添いながら、支援していく体制づくりが重要であると考えているところでございます。
こうしたことから、道教委では、これまで、不登校の理由等を的確に把握し、適切な支援等を行う児童生徒理解・教育支援シートを効果的に活用するよう学校等に指導するほか、不登校等の子どもに関する悩みなどを24時間体制で相談員が受け付ける子ども相談支援センターの開設や、学校内外で専門的な相談や指導が受けられる窓口の周知に努めるとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを派遣するなどして、保護者に対する相談体制の充実にも取り組んできているところでございます。
道議太田憲之
次ですが、小中学校における不登校児童生徒の相談や支援につきましては、さまざまな機会を提供することが必要であると考えます。
市町村では、教育支援センターを初め、教育委員会所管の機関で相談や支援を受けられる環境を用意しているところもございますが、教育支援センター等で支援を受けている不登校児童生徒の状況は、現在、どのようになっているのか、お聞かせ願います。
川端学校教育局参事(生徒指導・学校安全)
教育支援センター等での支援の状況についてでございますが、国の調査をもとに、道教委が独自に分析した結果によりますと、昨年度、道内の公立小学校の不登校児童の1031人、中学校の不登校生徒の3964人のうち、学校外の機関で、学習指導のほか、教育相談や生活指導などの支援を受けた児童生徒は、小学校が51%、中学校が38%となっており、このうち、教育委員会が所管する教育支援センター等を利用している割合は、小学校では51%、中学校では58%となっております。
道議太田憲之
なかなか高い数字であると思います。それでは、次の質問ですが、児童生徒の学習機会の確保につきましては、個々の状況に応じて適切に対応することが重要であると考えておりますが、特に、高校生になりますと、各市町村が設置する教育支援センターのほかにも、児童相談所などの公的機関や、フリースクールなどの民間施設における支援を受けるケースもあるやに伺っております。 こうした機関や施設で学習機会等の提供を受けている不登校児童生徒の状況はどのようになっているのか、お聞かせ願います。
川端学校教育局参事(生徒指導・学校安全)
公的機関や民間施設等における支援についてでございますが、教育委員会が所管する機関以外で、不登校児童生徒の相談や指導等を行っている機関としては、病院、診療所、保健所、精神保健福祉センター、児童相談所、福祉事務所などの医療・保健・福祉関係の機関のほか、フリースクールのような民間施設などもあるところでございます。 先ほど申し上げた道教委の分析結果によりますと、こうした機関や施設で指導等を受けた児童生徒の状況は、公立の小中学校におきましては、病院、診療所等の医療機関が23%と最も多く、次いで、児童相談所、福祉事務所等の福祉機関が12%、フリースクール等の民間施設が6%となっており、公立の高等学校では、病院、診療所の76%に次いで、児童相談所、福祉事務所が9%、フリースクール等の民間施設の利用は3%となっております。
道議太田憲之
今、御答弁の中で、フリースクール等の民間施設についての数字も御報告いただきましたが、フリースクール等について、何点かお伺いしたいと思います。 不登校児童生徒の状況はさまざまであり、学校以外の学習活動の場といたしまして、フリースクール等の民間施設の役割も重要であると考えます。 道教委は、これまで、フリースクール等とは、協議会などを通じて連携を図ってきたと伺っているところでございますが、どのような連携を図ってきたのか、お聞かせ願います。
教育環境支援・研修担当課長谷垣朗
フリースクール等との連携についてでございますが、不登校児童生徒一人一人の状況に応じて必要な支援を行い、社会的自立を支えていく上で、フリースクール等の民間施設は重要な役割を果たしており、道教委では、これまで、行政関係者や学校関係者が、不登校問題への対応などに関して意見交換などを行う協議会に、フリースクール等の民間施設の関係者にも参加をいただき、関係機関が連携した、不登校児童生徒への効果的な支援のあり方について協議いたしますとともに、フリースクール等への訪問、関係者との懇談会を通じて、子どもたちや施設の実情等を把握し、一人一人の学びの充実に向けた協議を行うなどの連携を図ってきたところでございます。
道議太田憲之
それでは、具体的な活動状況についてお伺いしたいのですが、今御答弁があった、道教委が連携を図ってこられたフリースクール等におきましては、具体的にどのような活動が行われているのでしょうか。
また、不登校児童生徒が在籍する学校とは、どういった形で連携をとられているのか、お聞かせ願います。
谷垣教育環境支援・研修担当課長
フリースクール等の活動状況などについてでございますが、フリースクール等の民間施設は、NPO法人などの民間団体により、自主的に運営されており、個々の不登校児童生徒の状況や意欲などに応じて、個別の学習、相談、カウンセリング、社会体験や自然体験等の体験活動、授業形式による学習指導など、社会的自立に向けた多様な活動が行われております。
また、児童生徒が在籍する学校との連携に関しては、例えば、施設における児童生徒の出席状況や活動状況について、定期的に学校に報告するほか、学校と施設関係者の相互の訪問による意見交換などを通じて、不登校児童生徒一人一人の状況等に応じた支援内容の検討などが行われております。
道議太田憲之
フリースクール等に通っている児童生徒一人一人の自立に向けまして、個々の状況に応じた、きめ細やかな支援を行っていくためには、フリースクール等と市町村教育委員会や学校との連携が重要であると考えているところでございますが、今後、道教委では、これらの間における連携をどのように進めていく考えなのか、お聞かせ願います。
岸指導担当局長
フリースクール等と学校等との連携の促進についてでございますが、市町村教育委員会や学校がフリースクール等の民間施設と連携し、相互に協力、補完し合うことは、不登校児童生徒一人一人の状況に応じて、きめ細かい支援を行い、社会的自立を支えていく上で重要であると考えておりまして、道教委では、これまで、市町村教育委員会や学校に対し、フリースクールの活動内容などに関する資料を作成して配付するなどいたしまして、フリースクール等との連携を促してきているところでございます。 今後におきましては、市町村教育委員会や学校とともに、フリースクール等への訪問や懇談会などを行いますほか、市町村教育委員会や学校と民間施設が効果的に連携している事例を普及啓発するなどいたしまして、フリースクール等とのさらなる連携を促し、不登校児童生徒への支援の一層の充実に取り組んでまいる考えでございます。
道議太田憲之
これまで各委員会や一般質問等で述べてまいりました夜間中学について、今回の件と絡めて伺いたいと思います。 夜間中学は、これまで、戦後の混乱などで義務教育を受けることができなかった方に教育の場を提供してきたものと認識しておりましたが、近年では、外国人の生徒が増加していることに加えまして、不登校のまま中学校を卒業した者の学び直しなど、さまざまな方が学ばれていると伺っているところでございます。 夜間中学には一層多様な生徒が在籍することとなり、不登校の中学生でも入っていきやすい環境ではないかと思っているところでございます。
多様な教育機会を確保する上で、夜間中学の活用も必要ではないかと考えますが、道教委の見解をお聞かせ願います。
谷垣教育環境支援・研修担当課長
夜間中学についてでございますが、夜間中学は、学齢期に、さまざまな事情などにより、義務教育を十分に受けることができなかった方々などに教育の機会を提供する役割が期待されており、ことし3月に国が策定した、教育機会確保等に関する基本指針では、不登校児童生徒の多様な教育機会を確保する観点から、本人の希望を尊重した上で、夜間中学において、不登校となっている学齢生徒を受け入れることも可能とする考え方が示されております。
道教委では、このたび、札幌市教育委員会と連携し、夜間中学に関して、さまざまな立場の方から意見を伺うための協議会を設置したところでございまして、今後、協議会において、不登校生徒などの実情や、夜間中学と教育支援センター、フリースクール等、それぞれに求められる役割などについても協議するなど、夜間中学における教育機会の提供のあり方などについて検討を進めてまいりたいと考えております。
道議太田憲之
不登校の児童生徒に登校を促す取り組みや、自立に向けた学習支援などの取り組みも重要でありますが、何よりも、新たな不登校児童生徒を出さないようにすることが肝要であると考えます。
道教委は、今後、不登校の未然防止について、どのような施策を進めていく考えなのか、お聞かせ願います。
柴田教育長
不登校の未然防止についてでございますが、不登校は、その要因や背景が複雑多様であり、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものであるとの認識のもとで、これまで、道教委では、中1ギャップ問題未然防止事業や高校生ステップアップ・プログラムを実施し、その成果を普及するなどいたしまして、全ての児童生徒が学ぶ楽しさを実感できる授業や、児童生徒の望ましい人間関係づくりなどの取り組みを推進してきたところでございます。
今後におきましては、こうした取り組みの充実はもとより、教育活動全体を通じて、児童生徒が、互いのよさを認め合い、自己存在感や自己有用感を実感できる取り組みの一層の充実が図られるよう、市町村教育委員会や学校に指導するなどいたしまして、不登校を未然に防止するための、安心して教育を受けられる魅力ある学校づくりに向けて取り組んでまいる所存でございます。
道議太田憲之
ただいま、るる御答弁がございましたが、不登校に関しては、昔からあったものとは思いますが、近年、徐々にふえてきているということで、見過ごせない重要な案件となってきているのではないかと考えるところでございます。 今、少子化が進み、また、労働者人口が減っていく中、子どもたちが、しっかりと学ぶ機会も得ないまま年を経過し、社会に出ることもままならないような状況になってはいけないと考えますので、子どもたちにとって、明るい未来、幸せな未来のためにも、不登校をなくす、また未然に防止する施策をこれからも進めていくことをお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。